お祭りの終わりにのお話

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しばらくしてランもぽつりと空白の時間を紡いでいく。 「何年後やったかな……うちはヒューイはもう死んだと思うようになった……それでも焼きそばは作り続けとったんよ……なんでやろな……」 かつての自分を思い出した様子で、複雑な顔をしながらランは続ける。 「焼きそば作る内に料理が楽しなって……それで料理人目指し始めたんよ」 そのお陰でまた会えました…… 「初めて勇者亭でヒューイに会った時うちは男爵に似とるけど、もう死んだと思い込んでたから結び付ける事出来んかったみたいや……こんなにずっと一緒にいたのになぁ……」 それから思い出したように、私に聞いてきた。 「あ、そういえばヒューイは力を使う時目光らなくなったよな?」 赤い瞳……エスラの悪魔の印…… 「……あの力は危険なんですよ。だから記憶と一緒に師匠に封印してもらっていたもので」 記憶を呼び覚ましたせいでもう封印は解けかけている。今なら上手く使えるのだろうか…… 胸に不安が宿る。そんな不安を取り払うように話題を変えてみた。 「ラン……ヒロはまだエスラにいるんですか?」 ランが一瞬息を飲み沈黙する。何かまずい事があるのだろうか……? 「……まさか……死んだ……?」
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