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「ハハ、勝手に殺したらあかん。ピンピンしとるわぁ!けどな……ヒロ……ヒューイの代わりにエスラを守る言うて、城の兵士になったんや」
ヒロが……?あの腐った王や貴族達の下に……?
「ヒロ……大丈夫かなぁ……ヒューイの話聞いたら心配になってきたわ……」
ランは不安げに瞳を揺らす。
「そうですね……私みたいな問題児じゃなければ、大丈夫だとは思います」
ヒロは私より大人で賢いやつだった。それに私みたいに規格外の異常な強さはない……ただ戦術は私も関心する程だったが。
ゲロちゃん退治には、ヒロの意見も取り入れた作戦だったから。
それだけで敵意を向けられる程目を付けられる事はないでしょう。
恐らく……しかし可能性は低い……
ヒロのいざとなった時の度胸は驚きに値する。きっと活躍はしてるんじゃないだろうか。
「あんな……うちはヒロにヒューイが生きてた事言わへんからな……ちゃんと自分で会いに行って欲しい」
ランの真剣な瞳が私を映す。それは私も思っていた事だ。
「ええ、分かりました」
全てを思い出した今、私もヒロに会いたい。落ち着いたらきっと会いに行こう。あれから十年、目立たなければもう大丈夫だろう。
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