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「だって……泣き顔見られたないやん……」
ランは不満気にあさっての方向を向く。
よく分からないのだが……そう言えばフェイさんも、ルシエラさんも、私がランを強くしてるとかどうとか言っていたような。
やはり私がランに無理をさせていると……
「ラン、すいません。私がランに無理をさせているみたいで……」
「ヒューイ……絶っ対!分かってないやろ……普段鋭いのに、乙女心が分からんなんてわざととしか思えへんわ」
乙女心?ランが乙女……か……フフ。
「ヒューイ?今なんで笑ろたんかな?正直に言うてみぃ?」
笑顔のランが低く、冷たい声で届く。
笑顔が恐い……は……話しを変えなければ……
「そうですラン!焼きそばご馳走でした!いやぁ、美味しかったです」
それを聞いた途端ランは俯き、拳を握り締め体を震わせた。またこの反応。話題を間違えたか……
「ヒューイ……焼きそばごめんな」
「ん?何がですか?」
「ドルチェに負けてもうて……大陸一の焼きそばや食べさせられへんかったやん!」
ランは瞳にまた涙を浮かべる。悔しさが滲み出ている。
「いや……ランの焼きそばは別に負けたわけじゃあないですよ?ただ私の好みが……」
「それが嫌やねん!!うちのがヒューイといるの長いねん!!せやのにドルチェにあんな負け方して!!」
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