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「確かにランの焼きそばは美味しかった。特にあのソースは文句ありません。しかし、まだソースの使い方が甘い……麺の味付けにムラがあります。それに他にも、こだわらなければいけない食材もあります」
まあ……それはフェイさんと比較したらの話。今でも一流のレベルではある。
「ヒューイ」
私の言葉に反応して、ランは瞳に少しずつ火がついてきたのを感じた。
「ラン……今回の大会はあなたの焼きそばをさらに昇華させる、絶好の機会だと思います」
徐々に燃え上がる瞳の炎。
「それにまだまだあなたは成長できる。あの焼きそばで、あなたの焼きそばは完成ですか?」
ランは瞳に炎が燃え盛ったかのように、こちらを力強い表情で見つめてくる。
「ちゃうわ。まだまだ完成やない……」
「具体的にどうしたいのですか?」
ランはいつもの調子で不敵に笑い宣う。
「ドルチェの焼きそばなんて目じゃない程の焼きそば作ったる!!」
「では……まずはアレン祭で一番を目指しませんか?私と……勇者亭の皆と共に」
そっとランに手を差し出す。
ランはいつもの強気な笑顔を見せ、力強く手を取ってくる。
「もちろん!ランちゃんがいたら優勝間違いなしや!大会までにまだまだあの焼きそば工夫したるで!!」
「ええ、一緒に優勝を目指しましょう!」
二人は手を取る。そして改めて優勝への決意を改めて誓った。
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