お祭りの終わりにのお話

12/13
前へ
/1092ページ
次へ
「確かにランの焼きそばは美味しかった。特にあのソースは文句ありません。しかし、まだソースの使い方が甘い……麺の味付けにムラがあります。それに他にも、こだわらなければいけない食材もあります」 まあ……それはフェイさんと比較したらの話。今でも一流のレベルではある。 「ヒューイ」 私の言葉に反応して、ランは瞳に少しずつ火がついてきたのを感じた。 「ラン……今回の大会はあなたの焼きそばをさらに昇華させる、絶好の機会だと思います」 徐々に燃え上がる瞳の炎。 「それにまだまだあなたは成長できる。あの焼きそばで、あなたの焼きそばは完成ですか?」 ランは瞳に炎が燃え盛ったかのように、こちらを力強い表情で見つめてくる。 「ちゃうわ。まだまだ完成やない……」 「具体的にどうしたいのですか?」 ランはいつもの調子で不敵に笑い宣う。 「ドルチェの焼きそばなんて目じゃない程の焼きそば作ったる!!」 「では……まずはアレン祭で一番を目指しませんか?私と……勇者亭の皆と共に」 そっとランに手を差し出す。 ランはいつもの強気な笑顔を見せ、力強く手を取ってくる。 「もちろん!ランちゃんがいたら優勝間違いなしや!大会までにまだまだあの焼きそば工夫したるで!!」 「ええ、一緒に優勝を目指しましょう!」 二人は手を取る。そして改めて優勝への決意を改めて誓った。
/1092ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72333人が本棚に入れています
本棚に追加