彼女の心のお話

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「ヒューイ、また明日な!」 「お休み~」 「また明日ですね」 それぞれが別れの挨拶をし、明日も早いので帰って行った後…… その後私とドルチェは、かれこれ一時間を軽く過ぎる程キッチンにいた。 目の前にはフェイさんがいてキャベツの千切りの山の前で、二人して正座させられている。 すでに足の痺れは限界を迎えようとしていた。 フェイさんは食材の大切さや有り難み等を、私達につらつらと語る…… わけではなくギロリとただ無言で睨みつけてくる……両手に包丁と言う名の、有り得ない切れ味を持つドラゴンキラーを持って…… 一時間もこのままは精神的にも、足的にも大変痛い。後殺気全開の睨みもキツイです。 「お前ら明日は休みをやる……このキャベツをなんとかしてこい。ただ捨てたりしたら……斬るぞ」 包丁が明かりを反射しギラリと鈍く光る。 もちろん私がオーナーで一番偉いのですが……なんてことは口が裂けても言えない…… 二人はただただ、何度も縦に首を振る。 「ふん、俺は帰る……じゃあな」 面倒臭そうに言い残し、頭を掻きながら立ち去って行った。 フェイさんが完全にいなくなったのを見て、ゆっくりと立ち上がる……すると猛烈な痺れが襲い、バタンとその場に倒れ悶えてしまう。 足がぁ!足がぁぁぁ! この痛みは数々の死線を越えてきた私でも耐え難い。
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