彼の憂鬱とガールフレンドのお話

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ふっ、甘いですねドルチェ。 そのベットは特注で竜が踏んでも壊れず、どんな衝撃にも耐え得る!また最高の柔らかさで身体を包み込み、極楽にいるような素晴らしい寝心地を実現した物。物理攻撃で破壊はゴーレムとて不可能だ! ……って違いますよ私! まだ起き上がらず、ベットに埋まったままのドルチェに声を掛ける。 「ドルチェ……またですか?」 「……イエス、マスター。今日は毎朝お兄様を起こす、なぜかよく躓く身体能力に問題があるドジっ子妹を再現してみました」 またよく分からない設定を……殺気が感じられなかったから反応が遅れてしまった。殺気がないと言うことは攻撃してると思わずこの物凄い起こし方をやっているのだろうか。 うぅ、起こし方変えてもらわないと、いつか死にかねません。 「……おかしいです。マスター、また萌えと言いません」 眉を少しひそめ不満気なドルチェ。マスターは意外と強情な男ですとか、今小声で聞こえたような。 「……次はマスター好みな、貧乳ロリっ子で行くべきでしょうか?」 「だからあれは誤解です!」 思わず声を荒げて叫ぶ。ドルチェの言葉で忘れたかった、あの地下室でのやり取りを思い出した。 「ドルチェ、起こし方変えてくれませんか?」 そう言うとドルチェの顔が、みるみる内に真っ赤になった。 え?私何か変な事言いましたか? 「……しっしかし……マスター……もう一つの起こし方はあれしかないですが……」 とてもオロオロとした様子のドルチェさん。 「あれ、ですか?」 またシェスタ情報だろうか?あまりいい予感がしない。 「……目覚めのキスと言うのは……まだ……その……やった事がないですし……」 「キスぅぅ!?」 シェスタめ。なんて嬉しい選択肢を。いや、違う……なんて困った選択肢を。
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