彼の憂鬱とガールフレンドのお話

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しかしキスは流石に…… 「えーと……じゃあ……ドルチェ……これからは起こさなくても大丈夫です。なんとか自分で起きますから。今までお世話かけましたね」 他に選択肢がなさそうなのでそう言うと、ドルチェは無言でベットをゴロンと寝返りを打ちこちらと反対側を向いて背中を見せる。 「……実家に帰らせてもらいます」 ええぇぇ!? 何故この展開に!?実家って遺跡の事ですよね。拗ねてますか?仕事減って楽になると思うのですが。 「ドルチェ」 「…………」 うわ、完全無視だ。 「ほら、その、ドルチェの仕事減りますし。えーと、目が覚めなければ最悪ランにでも起こして『……私がツッコミ女に劣るとでも?』 口が滑った!やばい、絶対ドルチェ怒ってる。いつもより声が低かった。 「なんて言うのは冗談で、やっぱり朝は目覚ましドルチェに限りますね」 そう言うとドルチェはピクリと反応する。 「面倒かもしれませんが、起こしてくれると嬉しいですが。もうダメですかね」 首だけ動かしこちらをチラリと見るドルチェ。 「……嬉しい……です?」 「ええ、とても」 笑顔が引き攣らないように、注意しながら微笑む。 「……困ったマスターです……もう冗談でもそう言う事は、言わないで欲しいです」 冗談ではなかったなんて言えやしない。 「分かりました。すみません」 「……私はマスターのお世話するの好きです。それを取らないで欲しいです」 全く、ドルチェには敵わないな。こんなに優しくて世話好きなゴーレムは他にいるのだろうか。 しかし起こし方はレクチャーしなければ。教える程の事ではない筈だと思うのは私だけだろうか。
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