彼の憂鬱とガールフレンドのお話

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「あの……何に困ってるんですか?」 なぜか挙動がおかしいサンチェに、着いて来れてなかったメグが怖ず怖ずと聞いてきた。 「実は明日必要な物があるんですが、隣街まで行かないと売ってなくて……しかし皆今日は忙しくて、買いには行けないんですよねぇ」 「……困りました」 私の台詞にドルチェが続く。そんな私達を気の毒に思ったのかメグは言う。 「あの、良ければ私が行ってきましょうか?」 「本当ですか!?助かります。しかし隣街までの山道は女の子一人では危険です。誰か頼れるナイトはいないでしょうか?」 視線だけでサンチェの様子を伺うと、ぴくりと反応していた。 「ハッハハハ!ヒューイ様頼れるナイトことサンチェにお任せ下さい!」 あーやっぱりマイドさんにそっくりですねぇ……扱いやすい。微塵も疑い無く引き受けるとは驚きだ。 「そうですか?じゃあ、お二人に頼んでいいですか?」 「ハッハハ!お任せ下さい!」 「はい」 懐からすでに用意していたメモとお金を取り出し、メグに渡す。 「じゃあ、お願いします。昼ぐらいから行って来て下さい」 そう言うとサンチェは不思議そうな顔をする。 「ヒューイ様?別に朝からで大丈夫ですよ?」 「私も大丈夫です」 メグもサンチェに同意した。二人共当然のように言うのはいいのだが…… サンチェは浮かれてすっかり忘れてしまっているようだな。第一の試練はまだ継続中だと言うのに……まあ、メグさんは当然の反応だが。
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