彼の憂鬱とガールフレンドのお話

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「サンチェ……本当に朝から行けるんですか?」 「え?」 私はサンチェの目の前にある料理達に視線をやる。アリスが一生懸命作った自信作達が目の前に揃っている。 「ひ……昼からで……お願いします……」 「え……うん……」 メグは理解できず困惑しつつも頷いた。 「あ、お釣りはメグさんの好きに使って下さいね」 そうやって楽しい楽しい食事の時間を過ごした。 ちなみにアリスの料理完食後意識を失ったサンチェ。すぐに死者の眠りをも覚ますと言われているブッコロ草と言う、死んだ方がマシな程苦い草を飲ませて蘇生させたのは内緒のお話。 ◇ 上手くサンチェとメグを送り出し。食器の後片付けをする。 「お兄ちゃん。今日サンチェ君おかしかったね?」 「そうですね。ガールフレンド連れて来て、浮かれてたんじゃないですか?」 しれっと宣い泡立てた洗剤の付いたスポンジで、食器を洗いながら雑談する。 「ガールフレンドかぁ……お兄ちゃんは欲しくないのかな……?彼女」 彼女……彼女……あぁ、私彼女いたことないんですよね……だって幼い頃から狩りに剣の修業、エスラで戦争、師匠の修業と言う名の虐待、アレンと魔王討伐、そして勇者亭経営……そんな余裕はなかった。 なんだか涙が出てきた。 「それは欲しいですね」
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