とある訪問者と暴かれた秘密のお話

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「アレン祭では限られた人数しか参加出来ません。私達は料理を作るだけでなく接客もしなければいけませんからね」 最低限の事は事前に実践しておいて、できるようにしておきたい。 お好み焼きの時の屋台とお店の違いも感じておいて欲しい。 「ただ美味しい料理を作るだけでは、お客さんは満足できないものだと私は思います」 他は関係なしで、ただ美味しい本物の料理だけ作ってればいい……それは美談として語られる場合がある。 けど、私はそれは手抜きだと思える。 勇者亭を始めた当初は私もまだ幼さが残り、知識も経験もほとんど無いまま始めた。 もちろん軌道に乗らず本当に苦労をした。それでも料理も接客も手探りながらも試行錯誤して今の人気に至る。 アレンを亡くしたばかりという事もあり、精神的に弱くなっていたというのもあるが……もしアリスがいなければ止めていたと思う程に人気がなく、大変だった。 「美味しい料理、そして最高の接客。二つ合わせればお客さんはさらに満足してくれます」 他にも要素としてはいくつかある。とりあえず、今ドルチェに意識してもらいたいのはこのニ点。 「……む……成る程。精一杯頑張ります」 ドルチェの言葉に満足し微笑む。じゃあ私は…… 「じゃあ私は久々にキッチンやりますかね。ホールはアリスに教えて貰って下さい。ランにも今日はホールをやってもらいましょうか」 久々に思い切り腕が振るえます。楽しみですねぇ。
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