ゴーレムと危険な魔術修業のお話

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寝苦しい夏の早朝。まだ朝日も昇らないうちに目を覚ます。 昨日はあれからフェイさんに、朝狩って来たらしい牛が変化した魔物を見せられた。いや、正確にはそれを捌いた物を見せられた。(詳しくは外伝参照下さい) 冷蔵庫に入りきらない肉!肉!肉!うちで使ったとしても、普通に一年は困らなさそうな有り得ない量だった。 流石に冷蔵庫全て肉にする訳には行かず、とりあえず私の指輪に入れる事になった。 フェイさんは基本的に食材の管理の腕が鈍るからと、指輪を使うのは好かないのだが今回は致し方ない。 しかし、思わぬ所で大会用の焼きそばの極上の牛肉が手に入った。牛肉というのは、熟成させないといい味が出ない。 それゆえ大会分の肉は、知り合いの業者さんに預ける事にした。大会当日に合わせて最高の味になるように、特別な冷蔵庫を用意して貰ったので安心だ。 その後昨日ドルチェが焼きそば対決の賞品を、ルシエラさんに連れられて発表しに来た。 しかし、『無理です……言えませんっ』とか言って逃げて行ったのはどういう事だろう。 それからは何事も無く、ベットに入って目を閉じたらアリスが―― あーそうだった。この寝苦しさは現在進行形で私に引っ付いている、アリスのせいでしたね。パジャマのマイシスターが、すうすうと可愛く寝息を立てている。 冬場なら最高に寝心地がいいのに夏場は困る。アリスが幸せそうに寝息を立てて、普通に快適そうに寝ているのが不思議だ。
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