おいでませ勇者亭のお話

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――師匠か、なんて説明すべきだろう。とりあえず思い付くままに話し出す。 「えぇ、めちゃめちゃ……ですね。多分最強モードの村長にも負けてないと思います。ただ全く僧侶っぽくはなかったですね」 しばらく会っていない、かつての師の姿が脳裏を過ぎり思わず苦笑する。今は何をしているのやら。くしゃみでもしてたら面白いな。 「本人は言葉遣いなんかめちゃくちゃで、柄が悪すぎてヤクザみたいでしたよ。破戒僧というか破壊僧という言葉がピッタリな人でした………ってそれよりも状況の説明はしてくれるんですか?」 「あぁ、そやったなぁ。じゃあデート一回でええで!」 ニカッと陽気に笑いながら、取引を申し出てくるラン。相変わらず彼女らしいと言うか。 「………………」 村長の気を完全に中和したのを確認し、目を閉じ自分に回復魔術をかけつつ思い出していた。ランが初めて店に来た時のことを――
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