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外に出て長方形で白塗りの木製のプレートに赤で書かれた『OPEN』の文字を裏返し『CLOSE』に変えた。
もう夜中になり、明かりなしでは辺りを把握するのが難しい。
とはいえ夜になっても涼しい所か暑いのはいただけないな。
手で風を送ってみると生暖かい風が頬を撫でる。
魔術の方がいいような気もしてきたが、そこまでする程ではないかと思い止まった。
さてと、勝負の始まりですねぇ。一体どっちが勝つのやら。
……なんて台詞をルシエラさんに聞かれたら怒られそうだな。
ルシエラさんが勝つに決まっている……なんて、うそぶいてみようか。
トルテはまだ悩んでいた……どのみち大事なのは勝負の後どうなるかだ。
もうすぐ始まるだろう。
ケーキの盛り付けやら仕上げをするのに、ルシエラさんとグラッセさんはキッチンに入って行ったから早めに戻らないと。
別にマイシスターが口を聞いてくれなくて、居心地の悪さに出てきた訳ではないですとも。そうですとも。まあ、これで私も口を聞いてやらないと最終的にあっちが泣き出してしまうから非常に困るというか……
ふと、空を見上げると輝く星達が視界に入る。満天の夏空に広がる星達は一体どちらに祝福の光をもたらすのか……なんて、こんな綺麗な空を見るとこんな臭い台詞の一つでも吐きたくなる。
とはいえ心を読まれたら恥死しそうだと苦笑が漏れだした。
まあ、そろそろ戻ってアリスのご機嫌を伺うとしようか。
――決戦の扉は今まさに開かれようとしていた。
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