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私は言われるままに鞄から携帯を取りだしアドレスを開くと名前を書き込み出す。 「顔見知り程度の人間でも構わないから」 その言葉にアドレスから全て名前を抜き出し続け名刺ファイルを手にまた紙にペンを走らせた。 『出来た。』 「へぇー結構いるじゃねえか」 私の声に反応するよう目の前の紙は浮かびあっという間にエンジュの手の中にあった。 「お前、名前は?」 『静よ、緋桜静。』 名前を口にすると分かったと紙から手を離しぶつぶつ呪文のような言葉の螺旋を繰り返し始めた。 エンジュを見据えた。
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