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私の周りの子、欲しい物は全部手にしてる感じがする。
何だかそれって理不尽。
『うー理不尽だ』
「って何が?静、大丈夫か?」
突然、大声を出した私に驚いた智が私の目の前で手をヒラヒラ泳がせる。
城内智私の恋人。
同じ会社で営業をしている、いわゆる社内恋愛。
私と智の関係は既に会社の人間には周知されている。
だから堂々と仕事終わりにこうしてデートしている訳で、仕事終わりのデートは決まって食事。
今日は大通りに面した智のマンション近くのレストランで食事を済ませ、智のマンションに行き少しのお酒を口にしていた。
『大丈夫。
…ねぇねぇ、今度のお休み。
買い物行こうね』
ヒラヒラ泳ぐ智の手を掴み期待に満ちた瞳で見据えた。
「買い物?また欲しい物でもあるのか?」
勘がいいのか、それとも慣れたこの会話の下りに察したのか、智は肩をすくめる。
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