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春の風も心地良く桜も咲ごろになり、ウキウキするようで何か切ないこの季節。
俺は窓から外を見ていた。
外は霞んでいてその先に慣れ親しんだ海ともう見飽きた灰色の船がならんでいる。
普段なら見たくもないこの船も今は何故か懐かしく、つい…。
「おつかれ…俺…」
っとまるで死に際の言葉だかしっくりくる。
溜め息を尽きながら下を向き、しばらくしてから後ろを振り返る。
サッパリとした何もない部屋…。
住んで一年だった部屋なのに、夏は灼熱、冬は極寒でかなり腹が立つ部屋なのに、何故か感謝したくなる…。
「…すいませーん…荷物とりに伺いました。」
玄関から引っ越し屋が来た。
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