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蒼志が覗き込むと、そこには確かに井坂と榊以外の人影があった。
榊達より頭1つ程小さい彼は一年生だろうか?
「あ、あの……」
「へぇ時間通りじゃん」
「あの、榊さん…えっと……その」
「ちゃんと言ってた通り持って来たんだろうな?」
「えっと」
「えっと…じゃねえだろうが?いいから出す物さっさと出せ」
「………」
「なんか文句あんのか?」
「えっと……はいっ」
そう言って差し出した財布を井坂が引ったくる様に奪う
「ったく。最初っから素直に出しゃいいんだよ」
「えっと………じゃあ僕行きますから」
そう言って屋上を去ろうとした少年に井坂が声を掛けた
「次はこの倍は持って来いよ」
「そ、そんな!?……もう僕お金なんて持って無いですよ!?」
反論されたのが気に食わないのか、井坂は男に詰め寄る
「あぁ?…なんか文句あんのかよ?おぉ!?…金がねえなら親からでもなんでも盗って来いや!?」
「で、でも。今回だって…もぅ…うぐっ!」
なお食い下がろうとした少年の腹に井坂の蹴りが入り、少年は倒れ込む
「かっは!」
「おいおい。なんか文句でもあんのかよ?あぁ?」
低い声で脅しを掛ける井坂に、少年は懸命に食い下がる
「…で…でも!?…も…もうこれ以上は…親にも貰えないよ!」
「だから、盗って来いっつってんだろーが!」
「そ…んな!?」
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