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「お前に逆らう権利なんて無いんだっつぅの!!」
―――――ゲシッ!
「……うぐぁ!」
「わかってんの?あぁ?」
「う…うぅ……………」
「聞いてますかぁー!」
ボロボロになった少年を更に殴りつけようとした井坂の腕を榊が止める
「おい、もう止めておけ」
「んだよ、榊。」
今まで一切口を挟まなかった榊からストップをかけられたのが不快なのか井坂は必要以上に反発する
「んだよ!さっきまでは傍観キメ込んでたクセに今更いい子ちゃん振んなよ!?盛り下がんだろ!!」
「いい子ちゃん振るつもりは無いが、お前、手加減してないだろ。それ以上やるとソイツが死んじま……ん?」
何かを呟く声に、二人は耳を傾ける。
「……やる………。」
声の主は少年だった。
「…こ……して…る……ころ………やる………殺し…や……殺して…る…………殺してやる…」
呪詛めいた少年の言葉で、井坂の怒りは最高点にまで達っする
「……ッ!?……てめぇ…上等だぁ!!殺してやるよ!!」
「止めろ!」
なんとかなだめようと井坂と少年の間に入り、井坂の腕を捕った榊だったが強い力で振り払われる
「いつまでも俺に指図してんじゃねぇぞ、榊ぃ!?」
「…お前。」
いつもの井坂らしからぬ様子に戸惑いを隠せない榊
「殺してやる…殺してやる、殺シテやる、コロシテやるコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤル…」
「上等だぁ!!」
井坂は榊の横を通り過ぎ、少年に近づくとその胸ぐらを掴んだ
「偉そうな事言いくさったんだ!殺されても文句はねぇだろうな!?」
そう言って右腕を振り上げた直後、女の声が響いた
「――ダメェ!!」
「「――なっ!?」」
予期せぬ乱入者に二人が驚きの声を上げた直後、今度は井坂の掴んだ少年に異変が生じた。
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