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「コココココ、コロ、コロシテ、ヤ、やるるるる―――――!!」
「―――なっ?」
―――――――……ゴゥン!!
一瞬の静寂の後、井坂の掴んだ胸ぐらから黒い炎が吹き上がる
黒い炎は瞬く間に少年を染め上げ、なおその魔手を井坂に伸ばした
「井坂、逃げろ!!」
「だ、駄目だ!?何かに引っ張られてるみてぇに腕が外れねえ!?さ、榊ぃ!」
困惑と恐怖に染まる声を上げる井坂
「井坂ぁ!」
今まさに黒い炎に飲み込まれんとする井坂を助けようと井坂の腕を引っ張る榊
だが、奮戦も虚しく、井坂の体は既に八割、引っ張られている腕と頭を残し炎に呑まれていた
「あちぃ!あちぃよ!榊ぃ!!」
「くっそぉー!!」
「どいて!」
力任せに井坂を引きずり出そうとした榊に絢香は静止の声を掛ける
「なんだてめぇは!?」
「そんな事より、貴方は早く逃げて!」
「馬鹿言え!?」
「早く!!このままだと貴方も取り込まれる!!」
「…な!」
言うが早いか、絢香は榊を突き飛ばした。
すると次の瞬間には黒い炎は井坂の全てを包み込んでいた
「井坂ぁぁぁああ!!」
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