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「!?」
蒼志が振り向くと、そこには黒い炎が燃えていた
一見変わらない様に見えるが、ただ一つだけ違う所が見てとれた
「大きく……なって…る?」
そう、二人の人間を飲み込んだ炎はまだ喰い足りぬと言う様に酸素を取り込み尚もその存在を肥大化させている
いや、大きくなるだけならまだしも、無秩序に燃えていると思われた黒い炎は急速にその姿形を変えていた
「……こいつ、昨日の奴みたいに!?」
黒い炎を中核に両サイドにはみるみる腕が生えていく。
「やっぱり……こう…なるよね…こうなる事は予測できてたのに……」
悔しさに唇を噛む絢香に、蒼志は尋ねる
「…これも昨日の奴と同じなのか!?」
「……高村くんは隠れててください」
「ちょ…おい!緋暮!!」
絢香は蒼志の質問に答えるここともなく、黒い炎に向けて走り出す
その間にも黒い炎は貪欲に成長を続け、今では体とも顔ともとれる炎に角らしき物さえ生えていた
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