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蒼志は絢香の事をまだよく知らない。だが、その顔はこの少女には全然似合わないということだけははっきりとわかった。
だから近づく。
この少女は何かに堪えている。それがわかったから。
自分でもよく解らない感情に後押しされ、蒼志は絢香に手を伸ばす。そして見る、
絢香の後ろ手その腕を高く挙げる、黒い炎の姿を。
「―――危ないっ!?」
思うより先に体が動いていた。
「…………え?」
戸惑いを見せる絢香の肩を掴む
絢香が気配に気付き振り向く。もう遅い。
蒼志が絢香を突き飛ばした瞬間、蒼志の体は宙に投げ出されていた。
「―――高村くんっ!!」
世界が廻る
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