第4章 掲示される[真実]

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これが雷なら逆に握り返したりとかできるんだろうけど、そんな恥ずかしい真似ごめん被る。 「…………………」 白くて細くて柔らかい指を一本一本慎重に外していく。 「………ん…。」 度々ビクつきながらも何とか手を離す事に成功する。 「………疲れた…」 自由になった手をグッパグッパして機能を確かめる。 とりあえず、痛みも動かない所も無いところをみると問題はなさそうだった。 「思ったより軽い怪我だったのか…?」 あれだけ痛かったのに、今は全く痛くない。正直不気味な気持ちでいっぱいだった。 「………ん…」 寝ている緋暮が淋しいそうな声を出す。 見れば、手がなにかを捜す様に動いていた。まるで温もりを求める赤子の様に。
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