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泣きそうな顔で動かし続ける緋暮の手が何を求めているのかを悟る。
「…………。」
少し考えて、さ迷う緋暮の手をを握る。
「……ん、フゥ。」
すると今度は安心したような寝息を立て始める。
何をやってんだ、俺は。とは思うものの、安心したような顔と暖かく柔らかなその感触は、正直まんざらでもない。
「……お父…さん……」
ふいに緋暮が言葉をもらす。
あんな超常なモノの存在を知っていても、やっぱり普通の女の子なんだな、と少し安心する。
空いている方の手でそっと頭を撫でてやると、緋暮はうれしそうな顔になる。
そんな顔をみていると自然にこちらも笑顔になってくる。
「……いいのかい?せっかく頑張って手を離したのに。」
だから、第三者が見ているなんて夢にも思ってなかったんですよ。はい。
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