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「―――――ッ!」
完全に油断していた所に声をかけられ、跳ね上がらんばかりに驚く。
緋暮を起こさないよう、声を揚げなかった俺に拍手したいと思う。
声のした方を見ると、扉に寄り掛かった人物と目が合う。
「……いつから…」
「君が絢香の指を一本一本丁寧に外している所から」
見てたんだ?と言うより先に笑顔で答えてくるあたり、この青年がただ者では無い事をうかがわせる。俺が単純な訳ではないと信じたい。
「見てたんなら声ぐらいかけたらどうだ。」
恥ずかしい所を見られた手前、どうしても不機嫌そうに対応してしまう。
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