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「ん?別にそれでも良かったけど、あまりに嬉しそうだったから……」
確かに緋暮はそんな顔してたけど。ってかあの位置で緋暮の顔が見えるのか?ほぼ真後ろに居るのに
「…二人とも」
……俺もかよ。
「どこの誰かは知らないが、のぞき見なんて、いい趣味とは言えないんじゃないか?」
「だから最初に謝っただろ?いや、謝ってなかったっけ?ん~?…まぁどっちでもいいや」
一切謝ってねえよ。
軽薄そうな笑顔の青年は見た目どうりの軽い言動で近づいてくる
「ありゃりゃ、完全に寝ちゃってるよ。…まぁ君さえいいならもう少しそうしてやってくれよ。彼女、君の側にいるって聞かなくてねぇ、巻き込んだのを自分のせいだと思ってるんだよ」
そういった男は笑顔だったがその笑顔にさっきまでの気軽さはなかった。
「…………ッ!」
その笑顔に一瞬呑まれる
「そんな怖い顔しない、しない。せっかくの男前が台なしだよ」
そう言ってまたさっきの軽い笑顔を向けてくる。言動に騙されがちになるが、やっぱりこの男はただ者ではない。
「絢香が起きたら僕の所に来るように言っておいてよ」
男は緋暮の頭を2~3回撫でるとそう言い、扉の方へと歩いてった。
そして、扉を開けて外へ出ようかというところで振り返り
「ちゃんと君も来るんだよ」
と笑顔で言うと手を振り今度こそ出て行った。
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