13年後

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「先生、宮島先生。」 メガネをかけたセンター分けの男が大きな封筒を持って俺の方へ駆け寄って来た。 「先生はやめてくれないかな、西野君。」 26歳になった俺は、道で立ち止まり、西野君の方へ振り返った。 「何をおっしゃるんですか?先生は我が坪仲出版の看板作家なんですから。」 西野君はメガネの端を軽く上げるながら、俺に微笑んで来た。 そう、俺は作家になっていたのだ。
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