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帝の命により中山府安喜県の県尉に任命された劉備は着任後、善政を敷いたため領民はすぐに劉備に信頼を寄せるようになった
…中山府安喜県
「どうですか?今年は豊作になりそうですか?」
「はい!今年は天候も良かったので問題ないと思います」
タッタッタッタッ!
「玄徳!帝からの勅使が館に参っておるぞ」急いで伝えに来たのは簡雍だった
「何!帝からの勅使だと!?ならば急いで迎えなければ!!」
劉備は急いで館へ向かった
「まだか!県尉は!わざわさ都から視察に来たというのに出迎えも無しか!」
「劉備玄徳ただ今戻りました」
「やっと来たか!どれだけ待たせれば気が済むのだ!」
「申し訳ありません!村を巡察しておりお迎えすることできませんでした!」
「フン、田舎の役人は礼儀がなっておらんから困る」
「申し訳ありません、いま宴の用意を致します故」
「もうよい!それはともかく帝から民を苦しめ国乱す源となりかねん役人は厳罰せよと命を受けておる!貴様も徹底的に調べ上げてやるからな!覚悟しておくことだ」
今まで勅使の話を黙って聞いていた張飛だったが…
「くっ…テメェ~!!劉備の兄貴をよくも馬鹿にしやがったな!」
「何だ貴様は!我は帝の勅使ぞ!控えよ!」
「申し訳ありませぬ!弟の無礼な振る舞いどうかお許し下さい!」
「わかった!今日は許してやるその代わり詫びを持って来い!わかったな!」
「はぁ…」
劉備の館を去る督郵(勅使のこと)
…劉備の館
「しかし…詫びとはどうすれば…」
「兄者、この村に古くから仕える役人を連れて参りました」
「どうしたのだ?」
「はい、勅使様は詫びと銘打って賄賂を要求しているのです」
「何だと!ならば勅使様は私に民が必死に働き納めてくれた金を渡せと申すのか!」
「はい、今までの県尉様もそのようになさってました」
「いや…私にはそのように民を苦しめるようなことなどとてもできん…」
民の苦しみを誰よりも分かっている劉備は勅使の要求に困惑するのだった…
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