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黄巾の乱平定後の朝廷の情勢は大きく変わろうとしていた。皇帝である霊帝は相変わらず政務を張譲、騫碩ら十常侍に任せ自分は酒色の日々だった。そんな生活が祟ったのかついに病にかかり床に伏せてしまった
…洛陽・帝の宮殿
「帝、お体は大丈夫にございますか?」
「ん?そちは騫碩か…大丈夫ではない…もはやこれまでのようだ…」
「何をおっしゃいます、そのように弱気では困ります」
「実はわしの後を誰に譲ればよいか迷っておるのじゃ…」
「帝は協皇子を後継ぎにしたいのでございましょう…心得てございます」
「そうなのだ…だが長子である弁に継がせぬとなるとそれも気掛かり…」
「心配なさりますな、帝のご希望通り我らが協皇子を擁立して差し上げます」
「しかし協を立てるとなると何太后や何進も黙っておるまい…」
「心配には及びません…何進は一介の肉屋だったのを国舅という地位をいいことに大将軍にまで出世した男。さらには弁皇子を擁立し権力を掌握しようと画策しておるようです」
「何?それは真か?」
「後々の禍根を絶つ良い機会です。この件は我らにお任せ下さい」
「そうか…」
その後、騫碩は張譲や段珪などの十常侍を集め何進を殺害する策を練り始めたのである!
…何進の館
ギギギ…
「伝令!」
「どうした!?」
「はっ!間者の報告によりますれば十常侍は何進将軍を暗殺し協皇子を擁立するとの由にございます!」
「何!協皇子を!ならば弁皇子はどうなるのだ!くっ、許せぬ十常侍!よし!至急諸将を集めてくれ!」
「はっ!」
何進の召し出しにより司隷校尉・袁紹、典軍校尉・曹操らの重臣が集められた…
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