夢【序章】

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 ガバッ、と俺は勢いよく飛び起きた。  俺は洗面所で顔を洗い、学校へ行く支度を始めた。  まだ学校が始まるまで時間があるが、かといって家にいても特にする事はないし、久しぶりに早く登校するのも悪くない。  普段なら一緒に登校する桜が洗濯物を干したり食器を洗ったりしていて学校へ行くのが遅刻ギリギリになるのだが、今日はその桜がいない。  そのため、早く学校に行けるのだ。  いや別に、いない方が良いとはこれっぽっちも思ってない。  って誰に説明してんだろうな、俺は。  普段なら隣で寝ている桜が、朝目覚めた時に隣にいなかった時は一瞬ヒヤッとしたが、何でも雅人さんの仕事を手伝わなくちゃいけないとかで、昨晩は元の家に帰っていた。  ふと俺はあの夢を思い出した。なぜか最近同じ夢を見る。  所詮夢だが去れど夢。  不気味なほど鮮明な夢に俺は軽く恐怖する。  だが、そんなはずはない。  俺はあの夢をみるたびに無理矢理自分にそう言い聞かせていた。  支度を終えた俺はとりあえず部屋を出て、学校に向かって歩き出す。
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