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信用される為にはどうすれば良いのか、まずは目に見える方法からでないと即効性に欠ける。
行動で示しても、時間が掛かりすぎる上に効果が目に見えない。
それに今までのイメージがある以上、それを壊すのは難しい。
ならば、それを変えるために手っ取り早く見た目を変えるのが早いのかも……。
そんな風に思考を働かせていると、
「――聞いてんのか?」
ヒロトの声が耳に入り、オレはいつの間にか俯いていた顔を上げた。
「あ、ゴメン!なにを話してたっけ?」
そして自分の非を認め、ヒロトの話を聞こうと耳を傾ける。その様子にヒロトは驚いた顔を見せた。
「お前が素直に謝るなんて……。明日は大雪か?」
「おい!どういう意味だ!?」
「いや、そのまんま」
そんな事を言われ、半眼で睨み付ける。
ヒロトは肩を震わせ、小さな声で笑い始めた。
「……なにがそんなに面白いんだよ」
そう呟くと、それが聞こえた為か、少し震えが大きくなったような気がする。
オレはその様子を見ていたが、なかなか終わる気配はなかった。
「はぁ……」
だから、ため息1つで諦め、コーラを一気に飲み干す。
もう一度コーラを入れに席を立ち、その途中、アミの事は帰ってから考える事にした。
ヒロトがこの状態じゃ、話にはならないから。
しかし、これからどうするか、その道標を見付けるヒントをヒロトは示してくれた。
その事には感謝する。
あんな風に笑われたのは腹が立つが。
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