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遅いなと思ったが、居ないのなら仕方ない。
ここで待っている訳にもいかず、諦めて自分の部屋に帰る。
スーツの上だけを脱ぐと、夕食を作ろうと冷蔵庫を開けた。
「……ロクに無いな」
空っぽとまではいかないが、それに準ずる有り様。
最近はアミに作って貰ったり、外で食べていたから気にはしていなかった事を後悔。
「買い物ついでに、食いに出るか……」
そう漏らすと、財布や携帯をポケットに突っ込む。部屋を出ると鍵を閉め、駐車場へ向かった。
エレベーターの中でヒロトのに携帯に連絡を入れる。
コール音が聞こえた瞬間に、相手は電話を取った。
「早いな!」
あまりの速さに驚くと、ヒロトは『いじってたから』と返してくる。
オレは、なにをいじってんだよと軽めの下ネタを振った後、夕食を誘ってみた。
『家まで迎えに来てくれるなら良いぞ』
「それじゃあ、今から行くから」
そんな会話を済ませ、携帯を閉じた時、ちょうどエレベーターが下に着く。
扉が開き、そこから出ると、オレは車まで向かった。
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