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ヒロトの家の玄関前に車を停めたオレは、電話で彼を呼び出す。
ヒロトはすぐに出て来て、隣に座った。
「お邪魔しま~す♪ってかなにを食べるか決めてる?」
「いや、まだ。勝手に決めれないだろ」
「まぁ、そりゃそうだけどさ……」
ヒロトは背もたれに体を預け、続きを口にする。
「それなら、オレのオススメのうどん屋に行かない?」
その提案に眉をひそめ、ヒロトの顔を見た。
「そこって美味いのか?」
「んー、オレは美味いと思うな。だからオススメだし」
オレの質問の答えは曖昧で、少し不安になる。
「……それ、どこにあるんだ?」
それを匂わすように口にするが、ヒロトはそれに気付いていない様子。
「近くの高校の側にあるうどん屋だけど?」
ヒロトはオレがなにを言いたいのかわからないらしく、なにも気にしてないといったアッサリとした口調。
それが余計に不安を煽る。
「本当に美味いんだな?お前だけが美味いとかじゃないよな?」
だから、最終確認のつもりでそれを質問という形でぶつけてみた。
さすがにそこまですれば、ヒロトも気付いたようで、
「大丈夫だって!前にエリコを連れて行ったけど、アイツも美味しいって喜んでたし!!」
安心しろと言うヒロトだったが、どこか必死なようにも見えた。
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