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――まぁ、良いか。うどんは好きな方だし。
ヒロトの必死さに苦笑を漏らしつつも、オレも予定を決めていなかったからと、そのオススメのうどん屋へと行く事にした。
ヒロトの案内で車を走らせること十数分。それは思ったより近くにあった。
「ここか?」
見た目は貸し店舗の1つのようで、うどん屋には見えない。
ヒロトにそれを言うと、『隠れた名店っぽくて良いじゃん』と笑って返された。
「とりあえず中に入ろうぜ」
そう言ってヒロトは先に店に入っていく。
慌ててヒロトの後ろをついて店内に入ると、そこはテーブルと座敷に別れ、好きな方を選べるようになっていた。
「へぇ……、良い雰囲気の店だな」
そこは和を中心に、所々遊び心を入れていて、なにか安心感のようなものがある店内になっている。
例えるなら、田舎の一部屋の様な感じ。まるで郷愁を感じてしまうような。
とは言っても、故郷はこの近くだが。
とにかく、この店の雰囲気は気に入った。
「外見とは正反対で、良い店だな……」
呟くように言ったこの言葉にヒロトが反応して、してやったといった顔をされたのにはムカついたが。
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