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テーブルについたオレ達は、メニューからそれぞれ好きな物を注文する。
オレはきつねうどん、ヒロトは肉うどんを頼んだ。
注文を受け取った店員のおばさんは、それを伝えに奥へと引っ込む。
それと同時にヒロトに向き直り、
「ここって親しみやすくて雰囲気良いな」
感想を伝えると、ヒロトは自慢気に微笑んだ。
「だろ?」
そう返したヒロトの声はどこか弾んでいる。
明らかに喜びの色が混じっていて、オレはそれに微笑で返してやった。
―*―*―
そんな感じで他愛もない会話を続けていると、熱いうどんの入った黒っぽい器が運ばれてくる。
運ばれたのはオレのきつねうどん。
そしてヒロトの肉うどんはまだ運ばれてくる様子がない。
「先に食べてろよ」
ヒロトの分が来るまで待ってようか悩んでいると、そんな事は気にするなとばかりに声をかけられた。
「せっかくのうどんが伸びちまうぞ」
「あ、あぁ……」
僅かに躊躇したが、ヒロトの気持ちを無にしては悪いと、すぐに麺を箸で掴み上げた。
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