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先に食事をする事を申し訳なく思いつつも、伸びてはその方が悪い、と自分に言い訳。
いただきますと言いながらうどんを口に運んだ。
――オススメするだけはあるな。
サッパリしてて、それでいて味はしっかりしている。
汁を飲んでみると、あっさりとした風味が口に広がった。
それに満足して食べていると、ヒロトの分も運ばれてくる。
肉うどんもなかなか美味そうで、次に来た時は同じものを頼もうかと思いながら、麺をすすった。
「あ、タカヤはコレいらないんだ?」
突然ヒロトから声をかけられ、顔を上げると、彼の手には一味唐辛子が握られている。
七味唐辛子もあるぞと言って、その2つをオレの目の前に置いた。
「あ、忘れてた」
オレは笑いながら七味の方を取ろうとする。
が、その手を途中で元に戻した。
「要らないのか?」
ヒロトに聞かれ、オレはそれにこう答える。
「もう残りも半分くらいだしな。今回はいい」
そう言いながら、油揚げを口に運んだ。
ヒロトはそっかと言うと、ようやく自分の分を口に運び始める。
思った以上に早食いで、みるみる量は減っていく。
食べ終わるのは、オレと1、2分も変わらなかった。
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