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その後、会計を済まし店外に出ると、
「悪かったな……」
突然ヒロトが謝罪を口にしてきた。
なんの事かわからないオレは、軽く混乱。
なぜそんな事を言ってくるのか、疑問を口にした。
「いきなりなに言ってんだ?」
そう言った今の自分がどんな顔をしているのか、わからない。
しかしヒロトの反応を見るに、決して良い顔はしていないだろう。むしろ妙な顔をしていると自信を持って言える気がする。
ヒロトはきょとんとしつつも、どう説明すれば良いかわからないようでもあった。
「あー……、うどんの事、だけど、さ」
ヒロトはオレの反応を伺いながら言葉を選ぶ。
「なんか、今回は味……前と違った、からさ」
「そうなのか!?」
「……うん」
ヒロトの様子と口調が、それは良い意味では無い事を教えていた。
事実、
「前に食べた時は、もう少し麺にコシがあったんだけど、さ」
ヒロトはそんな事を漏らし、恐縮してしまっている。
その様子に、オレは気にするなと言った。
「それでも充分美味かったぞ」
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