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オレは、この店を教えてくれた事に礼を言って、車に乗り込んだ。
ヒロトも慌てるように後を追い、隣に座る。
オレはドアが閉まったのを確認すると、エンジンをかけて車を動かした。
と、ここでヒロトからの質問。
「今はどこに向かってんの?」
「とりあえずはヒロトの家だけど。ヒロトはどっか行きたい所でもあるのか?」
オレがそう返すと、ヒロトは前口上に、今は特にないと答える。
「でも――」
そしてヒロトの話には続きがあり、それを話す為に口を開いた。
「タカヤは話かなにかがあって、夕食に誘ったんじゃないのか?」
それを聞いた時、一瞬固まってしまう。そして、頭の中でそれを反芻。
そうしていると、ヒロトは返事のないオレを訝しむ。
「違った?珍しくタカヤから誘いが来たから、てっきりそうだと思ったんだけど」
そう言われた時、ヒロトがなにを思っていたのか理解できた。
「いや、ただ1人で食事するのは嫌だっただけだから。変な心配かけて悪かったな」
ヒロトは気にするなと言い、この話はここで終わる。
そして、ヒロトの家へと向かって車は動き出した。
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