第二章 目撃

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『ばいばーい』 『部活行こ!』 『さよなら~』  そんな声が聞こえる今は放課後だ。 「慎~、京介~! 部活行こうぜ」  俺と慎と京介は、同じ陸上部に所属している。  因みに千秋は美術部だ。  何しろ千秋は根っからの運動音痴だからだ。 『悪ぃ!! ちょっと今日、先帰るわ』  京介が両手を合わせて言った。 「? ――おう」 『サンキュー!! 部長にも言っといて!』  そう言い終わるか終わらない内に、京介は教室を飛び出して行った。 「なんだぁ? あいつ……」 『母親が心配なんでしょ』  慎がいつの間にか俺の隣に居た。  あ、そうか……。  能天気な事言ってても、やっぱり心配なのかな。  素直じゃ無い奴! 『じゃマザコンは放っといて部活行くよ』  折角の母親思いの少年をマザコンて!! 「……じゃあな千秋」  俺は慎に半ば呆れながらも、千秋に手を振った。 『うん! 帰ったらメールするね!!』  千秋と別れて、俺は慎と部活へ向かった。
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