1698人が本棚に入れています
本棚に追加
「は……!?」
俺は目を見開いた。
『京介が消えちゃったの!! 京介がっ!! きょ……ゲホッ』
千秋は叫び、咳き込んだ。
「おい!! 大丈夫か!?」
俺は慌てて倒れそうになる千秋を支える。
『だいっ……じょぶ……』
千秋は顔をあげた。
その顔は涙に濡れていた。
「――――っ!!!」
俺はいてもたってもいられなくなり、千秋を強く抱き締めた。
『ふぇっ……つばっ……』
「俺が居るから……傍に居るから」
泣くな。
『苦しいよ椿……』
「あ、ごめ……」
俺は抱き締める力を弱めた。
『ありがとう』
千秋はそう言って、俺にキスをした。
ほんのちょっと触れたくらいの短いキスだったけど、不思議と心は暖まった。
最初のコメントを投稿しよう!