第六章 標的

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「は……!?」  俺は目を見開いた。 『京介が消えちゃったの!! 京介がっ!! きょ……ゲホッ』  千秋は叫び、咳き込んだ。 「おい!! 大丈夫か!?」  俺は慌てて倒れそうになる千秋を支える。 『だいっ……じょぶ……』  千秋は顔をあげた。  その顔は涙に濡れていた。 「――――っ!!!」  俺はいてもたってもいられなくなり、千秋を強く抱き締めた。 『ふぇっ……つばっ……』 「俺が居るから……傍に居るから」  泣くな。 『苦しいよ椿……』 「あ、ごめ……」  俺は抱き締める力を弱めた。 『ありがとう』  千秋はそう言って、俺にキスをした。  ほんのちょっと触れたくらいの短いキスだったけど、不思議と心は暖まった。
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