第一章 報道

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 教室の前まで着いた。  ……おかしい。  結局1時間目が始まる時間には間に合わなかったので、今は授業中の筈だ。  その割には、教室からは喋り声が。  不思議に思いながらも、俺は教室のドアを開けた。 『あっ! 椿!!』 『グッモーニン!!』 『遅刻だよ』  んー?  あれ?  何このフレンドリーな雰囲気は。  授業中、ですよね? 『数学自習になったんだよ』  冷めた目でそう言ったのは、斉藤慎。  ……なぁんだ。  走って損した。 『ラッキーだったな友よ!!』  そう言いながらバシバシと俺の背中を叩くのは早坂京介。 『おはよっ』 「おはよ、千秋」  そしてこれが……俺の、彼女。  栗山千秋。  2年前からラブラブでっせ!!  おっと、調子に乗り過ぎた。  俺は他のクラスメイトに適当な挨拶をしながら席に着いた。  (ほとんど置き勉してるけど)教科書を机の中に入れ、リュックをしまった。
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