第二章 目撃

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『聞いてくれよマイフレンズ!!』  京介が言った。 「何だー? 英語の宿題写させてほしいのか?」 『まぁそれもだけど! その話はこっちに置いといて』  そう言って京介は何かを隣に置くジェスチャーをした。  こんな事する奴、あんまり居ないよな……。 『朝のニュース見ただろ?』  俺と慎と千秋は頷いた。  ……何のニュース? 『何のニュース?』  慎が俺の気持ちを代弁した。 『そりゃ~もう今大問題になってる行方不明事件だぜよ!』  ……“だぜよ”? 『あぁ、あれね!!』  千秋が納得したように言った。 「何の手掛かりも掴めて無いんだよな?」 『警察もしっかりしてほしいよねー!』  千秋があははっと笑った。 『それでさ、昨日行方不明になった高槻晶子って居ただろ』  あ、ニュースで言ってた人か……そんな名前だったんだな。 『その人が消えた瞬間を母ちゃんが見たって……』  つまり――事件の目撃者。  
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