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某日PM9:00、県立海丹高等学校・旧図書室に一人の男子生徒がいた。
「ちょっと待ってくれ、そんなの無理に決まってる。」
男子生徒はそう叫んで怯えていた。
が、それは非常に滑稽な風景だった。
何故なら旧図書室には、その男子生徒しか存在しなかったからだ。
「くぅ、分かったよ…」
と言って男子生徒は旧図書室を出た。
。
部屋を出た男子生徒の目の前には学校の廊下ではなく、見たことも無い迷路が広がっていた
そして男子生徒は走りだした。
「ハア、くそっ、どう行きゃいいんだ。ハア、クッ。」
このように時々ワメきながら、男子生徒は走り続ける。ひたすら…走り続ける。
右、右、左、直進…男子生徒は本能のまま十数時間も走っていた。
そして遂に扉の前まで来た。
男子生徒は安堵の表情を浮かべていたが、ドアノブに手が触れた途端安堵の表情が崩れた。
その扉はドアノブのついたタダの壁だったのだ。
「うわああぁぁぁーー。」
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