旧図書室の掃除

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旧図書室の掃除

キーンコーンカーンコン 南丹高校のチャイムが鳴った。これは掃除の時間の始まりのチャイムだ。 もう、あの男子生徒の変死から約4ヶ月が経過していて、ほとぼりも冷め、生徒逹は普段となにも変わらない日々を送るようになっていた。 …「おい、新地はどうした?」 二年三組の担任河東が周りの掃除をしている生徒に聞いた。 「新地なら、購買部へ行きました。」 「…またか。今回こそは許すわけにはいかないな。」 そう言った河東はあることを決めた。 こんなやり取りが教室で行われている時、購買部ではある男子生徒がコーヒーを買っていた。 その男子生徒は、新地 甲。掃除サボりの常習犯だ。 そんな彼は少し人と違うところがあった。 それは異常なまでに霊感があることだった。そしてその霊感がこの後、彼に地獄を見させることになる。 「おーい、新地。」 誰かが新地の名前を呼ぶ。 「んっ?」 彼の名前を呼んでいた人が近づいてきた。 「なんだ、七倉か。」新地はコーヒーを飲みながら言った。 近づいてきた奴の名前は 七倉 頼也という、新地の友達だった。
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