32人が本棚に入れています
本棚に追加
旧図書室の掃除
キーンコーンカーンコン
南丹高校のチャイムが鳴った。これは掃除の時間の始まりのチャイムだ。
もう、あの男子生徒の変死から約4ヶ月が経過していて、ほとぼりも冷め、生徒逹は普段となにも変わらない日々を送るようになっていた。
…「おい、新地はどうした?」
二年三組の担任河東が周りの掃除をしている生徒に聞いた。
「新地なら、購買部へ行きました。」
「…またか。今回こそは許すわけにはいかないな。」
そう言った河東はあることを決めた。
こんなやり取りが教室で行われている時、購買部ではある男子生徒がコーヒーを買っていた。
その男子生徒は、新地 甲。掃除サボりの常習犯だ。
そんな彼は少し人と違うところがあった。
それは異常なまでに霊感があることだった。そしてその霊感がこの後、彼に地獄を見させることになる。
「おーい、新地。」
誰かが新地の名前を呼ぶ。
「んっ?」
彼の名前を呼んでいた人が近づいてきた。
「なんだ、七倉か。」新地はコーヒーを飲みながら言った。
近づいてきた奴の名前は 七倉 頼也という、新地の友達だった。
最初のコメントを投稿しよう!