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自信に満ち、麻衣を見下していた表情が苦悶の表情に変わり、他の二人と同じ様に、足に体を屈めていく。
スネへの蹴りの後、右足を戻すとすぐ膝を曲げて上段蹴りに移行したが
貴一が体を屈んできた為、俺の膝が彼の横顔にカウンターで入り、真後ろに仰向けに倒れた。
倒れた貴一の上に馬乗りになって、彼の両頬を平手打ちし、彼の両耳を掴み砂場に押さえ付けると、貴一は泣き出してしまった。
貴一が倒された事で、他の二人は逃げてしまい
早朝の砂場には、貴一と麻衣だけになる。
貴一を押さえ付けたまま言う。
「あたしに負けたら、どうするか…覚えてる?」
「うぐっ…うっ、うっ、そ、園田の子分になるよぉ…」
貴一は泣きながら答える。
「子分なんていらない…」
「えっ!?じゃあ、どうすればいいのぉ?」
「あたしのダチになってよ…」
「だ、ダチってなぁに?」
「友達って事…」
「うぅ…な、なるよぉ…お、俺、そ…園田の友達になるよぉ」
泣きながら貴一が言った。
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