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ランドセルに教科書やノートをしまいながら、ハンカチを泣いてる貴一に渡す。
「もう!泣くなよぉ~」
困った様に笑いながら言うと
「だ、だってぇ…園田、強いんだもんん~」
渡したハンカチで涙を拭きながら貴一が言う。
頭や洋服に付いた砂を払ってやると、ようやく貴一も落ち着いた。
「あたし達、ダチなんだから、今度から名前で呼ぶよ。貴一は…タカでいいよね?」
「うん!いいよ!俺は…麻衣ちゃんで…いいのかな?」
「ちゃんは付けないで…麻衣でいいよ!」
「えっ!?いいの?」
「あたし達、ダチでしょ!」
「うん!わかったよぉ!エヘヘ」
さっき迄の二人の関係では、なくなっていた。
喧嘩で解決はしたが、恐怖心での支配ではなく、お互いに尊重できる方向に持っていったつもりだ。
「あっ!学校!遅刻しちゃう!」
「やっべぇ!早く、麻衣!行くぞ!」
二人で公園の出口に向かって走りだす。
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