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やはり、私の思った通りになった。次第に旗色は悪くなり、我等が一族は、劣勢を強いられた。戦い落ち延びながら、かつて望月の君や、女房達からも言われた言葉をふと思い出した。
『正盛様は御子息をお持ちにならないのですか?』ちょうどその頃、私の嫡男が生まれたとの報せがきた。
次の世代を受け継ぐ、新しい命…。これ程喜ばしく、幸せな事はなかった。劣勢を強いられた戦いは、終わり負け戦となった…。大将の首をとられ、さらし首にされた…。
無事落ち延びた私は、望月の君と再会し、嫡男と顔を合わせた。
次の代こそ、やすらかであれ。との思いから、『盛康』と名付けた。
盛康は、その後我が一族をもり立てていく事になった。
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