月見

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月は愛しい姫の姿を映し出す…。 時は平安。その時、私は正盛と名乗る貴族であった。 『正盛様…今宵も美しい月が出ておりますよ』そう振り返る、そなたの姿は美しい…。 桃色に、純白、碧色と…十二単衣物をきた姿。月よりも眩しく、輝く。『…そうですね』碧色の着物をまとい、烏帽子をかぶり、ゆっくりと遠目から見つめる私。 これが私の最初の記憶。 夢か現か…。 そんなものは関係ない。美しきものは、美しく、時にその美しさが仇にさえなる。 そう…それが世の運命(さだめ)。
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