4人が本棚に入れています
本棚に追加
月は愛しい姫の姿を映し出す…。
時は平安。その時、私は正盛と名乗る貴族であった。
『正盛様…今宵も美しい月が出ておりますよ』そう振り返る、そなたの姿は美しい…。
桃色に、純白、碧色と…十二単衣物をきた姿。月よりも眩しく、輝く。『…そうですね』碧色の着物をまとい、烏帽子をかぶり、ゆっくりと遠目から見つめる私。
これが私の最初の記憶。
夢か現か…。
そんなものは関係ない。美しきものは、美しく、時にその美しさが仇にさえなる。
そう…それが世の運命(さだめ)。
最初のコメントを投稿しよう!