孤立した世界

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「ん…」   段々闇が引いていき視界が開けた。   「え…あれ?誰もいねぇ…」   信じられない光景に驚きを隠せなかった。何故なら、さっきまでウザイほどいた人が今は人っ子一人いないのだ。   神隠し?宇宙人に拉致?つーかどっちが?俺が?それとも周りにいた人が?   頭の中でグルグルグルグルそんな言葉が渦巻いていた。   ふと、更なる異変に気付いた。   灰色に近い色にくすんでいる。何もかもが。   建物も、道路も、車も、空でさえも。   それを認識した時、俺はさっきまでいた平凡な日常から切り離されてしまったのだと悟った。   「ふ、ふざけんなよ。意味わかんねぇ…どうやったら帰れるんだよ」   急に恐ろしくなった。たった一人というのが、こんなに不安なものだったなんて。     「あ、いたいた」   後ろの方から聞こえた声。俺の他にもここに来た人がいた!   一人より二人の方が気持ち的にも楽になる。一緒にここを抜け出す方法を考えよう。   そう期待し、勢いよく声のする方へ振り返った俺はあるものを凝視し、そして絶句した。
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