紅蓮の炎を纏った少女

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「う!?」   思わず声を上げてしまった。目の前で、ピエロとはいえ生首が刎ねたのだから。   首から上がない身体は浮く事が出来ないらしく、ダラリと崩れ地面に落下した。   「お終い」   ふう、と息を吐き着地。その足元には先程刎ねたピエロの首が転がっている。   切断面からは血ではなく、紫色の炎のようなものが吹き出ていた。   「な、なんなんだよ…」   ゆっくり立ち上がり、ピエロと黒コートの少女を交互に見つめた。多分、今の俺の顔はすっかり青ざめているだろう。   黒コートの少女がこっちに振り向いた。顔や表情はフードのおかげで見えない。   その姿のまま、何か話すのかと思った瞬間、ついさっき聞いたばかりの気味が悪い笑い声が耳に入ってきた。
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