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それからしばらくして、汗だくで苦しそうに呼吸をしながら修司が戻ってきた。
話を聞くと、スタメン入の祝いを兼ね体育館で走り込みをさせられたらしい。
おまけに可哀相な事に、先輩からの祝いのためにホームルームに遅れ、担任の先生に呼び出しをくらっていた。
そして放課後…
「じゃーな、ハル。あ、ちょっとこれ駅前のレンタルショップに返してきてくんない?」
部活に行こうとした修司が、エナメルバッグの中から袋に入った四角い物を渡す。
「おまえこれ…」
「やーん、ハルのエッチー!ハルエッチー!」
「意味分かんねぇ。あとで何かおごれよな」
渋々、修司から物を受け取り鞄の中に突っ込む。
「分かっておりますよ。試合の勝利話なら無料でいくらでも話すからさ!じゃーな!」
「な!?自慢話なんざ聞きたかねーよ!!」
そそくさと逃げるように教室を出て行く修司の背中に向かって吠えた。
「レンタル延長させるぞ」
ぶつくさ文句を垂れながら、俺も教室をあとにした。
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